【韓国の反応】韓国人「韓国マスコミよ!日本メディアが今こぞってムンジェインを批判していることを報道しないのは何故だ?」

日本中が安倍政府を批判?国益に役立たない韓国メディアの「選別的編集」東亜日報7月4日付の報道事例分析

チャンブスン

(筆者のチャンブスンは現在、日本関西外国語大教授で、国際政治と外交政策を教えている。
2000年に外交官試験を首席合格した後、15年間韓国外交部で働いていた。)

7月1日に発表された日本の韓国への輸出規制措置により、韓国の世論が熱い。
日本の輸出規制措置の内容、日本政府の意図、今回の措置が両国の経済に与える影響など、複数の分析記事がどんどん出ている。
韓日両国のメディア報道すべてに接している筆者としては、今回の事態に対する韓日両国の世論の過程を見ながら、両国間の深い認識ギャップを発見することができた。
韓国メディアと専門家たちの多くが、日本の記事の中から好みに合う部分だけを選択・編集し、日本の世論を誤って伝えている。
筆者はこの記事で、韓国の輸出規制に対する日本の実際の世論とこれに対する韓国のマスコミの歪曲の実態を事例を挙げて伝えようと思う。

日本のマスコミは一方的に安倍政府だけを批判しているのではない

日本国内には、韓国に対する日本政府の貿易報復措置を批判する世論はもちろんある。
しかし、それと同時に、事態がこの状況に至ったのは、一次的にはムンジェイン政府の誤ちのせいだという見方も少なくない。
事態が及ぼす影響についても日本メディアは、今回の輸出規制によって、日本側の部品、素材供給会社が得る被害や、韓国が輸出の多様化したり逆報復措置などをした場合の被害を懸念しながらも、最終的に被害の規模は韓国側のほうが大きいと予想する見方が多い。

事実、安倍政府に対してのほとんどの日本のマスコミの批判の核心は、韓国を中心に置いていない。
今回の輸出規制措置について、日本のマスコミの批判のうち最も大きな部分は、日本が米国に沿って行ってはならないということだ。
すなわちトランプ大統領のような行動をしてはならないというものである。

言い換えれば、日本メディアが見るに、事態がこんなふうになった一次的な責任は韓国側にあるし、被害も韓国側のほうが多く受けるというものだが、だからといって貿易を外交紛争の手段として使用するのはトランプ大統領と同じようなことをするものであり、自由フェアトレードに基づく世界秩序を維持するために、国家の利益がかかっている日本としては、そのような「トランプと同じこと」をしてはならないというものである。

見たいものだけを見ている韓国メディアと知識人たち

しかし韓国のマスコミの報道を見ると、日本のメディアの報道のうち特定の側面、つまり安倍政府の今回の措置について懸念を表明している側面に照明をあてるだけで、韓国政府の責任を指摘し、韓国政府の立場の変化を促す部分については沈黙している。
たとえば世宗大学の保坂祐二教授は7月5日、YouTubeに公開したキムオジュンの番組に出演し、「現在安倍政府の肩を持っているのは産経新聞だけ」と言った。
保坂教授はまた、「他のすべての日本メディアは安倍政府の今回の措置を貿易報復といって批判していて、外交で解決すべき問題と言っている」と言った。

間違った言葉ではない。
しかし保坂教授は、ほぼすべての日本のメディアが韓国政府に対して投げているメッセージについては何も言わなかった。
中道系列の日経新聞は7月1日付の社説最初の段落で「徴用工問題の1次的責任は韓国側にあるので是正を要求するのは当然だ」と書いた。
進歩系の朝日新聞は7月3日付の社説で「徴用工の問題では韓国政府の対応に問題がある。先月韓国側が出した案は、日本企業が資金を出すことが前提となっているので、日本側としては受け入れ難い」と指摘した。
また別の進歩系列の新聞である毎日新聞は「徴用工に対する賠償は、韓国も韓日請求権協定ですでに解決したと言っていた。韓国は日本側が提案した仲裁委員任命に応じず、韓日両国の企業が慰謝料を拠出することを提案してきた。日本が受け入れられないのは当然である」と7月4日付の社説で書いた。
これらについて保坂教授は完全に沈黙していた。

保坂教授はこのすべての社説を読んだのか。
読んだというのに、日本メディアが韓国政府を批判しているという事実については沈黙しているのか。
それともこれらの社説を読んだが、その部分だけをスキップして読んだのか。
それとも日本の有力日刊紙の社説をまったく読まずに日本の世論を分析したのか。
一つ明らかなことは、日本の主要メディアの社説を原文そのままに読めば、日本のメディアが今回の輸出規制措置に関連して安倍政府だけ批判していてムンジェイン政府のことはまったく批判していないという感じなど全くしないというものである。

にもかかわらず韓国メディアの報道だけ読んでいると、日本のすべての世論が、今回の措置に関連し、韓国政府には何も言わず、ひたすら日本政府だけを批判しているように思える。
これは事実とは距離が遠い報道である。

選別的な編集は読者を罠に落とす

このような報道を選別的編集という。
さまざまな事実があるというのに、好みの事実だけを選択し、それに合わない側面を無視してしまうのである。
選別的な編集プロセスを経て書かれた記事を読むと、読者は誤解をする。
選別的編集は歪曲である。
したがって、韓国マスコミの報道だけを見ていると、日本国内の世論について間違った見解を持つようになる。
日本語を使えるし、日本のマスコミの原文に接することができる私ですら、そのような罠に落ちてしまっていた。

数日前、今回の韓日葛藤に関連し、日本国内の進歩系列の報道機関に勤務する日本人記者と会話を交わした。
私は、日本の主要な経済団体が、今回の輸出規制措置について安倍政府を公開批判しているという東亜日報の報道を思い出して、その記者に「日本政府は日本の企業界の声を聞かなければならない」と述べた。
しかし相手の記者の反応が変だった。
「そんなはずはない」というような反応である。
日本の経済団体は日本政府に対して強く言っていないというのである。
それとともに「韓国の財閥は政府に大きな影響力があるのか?」と反問した。

東亜日報7月4日の記事の事例を分析

しょげた私はどうしても日本の経済団体の発表した原文を見つけなければならないと考えた。
東亜日報の報道は、7月4日「日本経済団体も公開で安倍批判…『被害が発生する前にまともになれ』」というタイトルの記事である。
この記事は、日本の代表的な経営者団体である経済同友会代表幹事の櫻田謙悟の7月2日の定例記者会見の発言を引用している。

櫻田代表幹事の発言内容は、経済同友会のホームページで原文を読むことができた。
経済同友会は、この記者会見の内容を動画で撮り、YouTubeにもそのまま載せている。
それをホームページで確認することができる。
この日の記者会見では、韓国に関連して合計6つの質問があった。
質疑応答の内容を原文そのまま引用してみる。翻訳は筆者がした。

質問①:半導体部品の韓国向け輸出規制について伺いたい。政治的対立が(日韓)両国の経済や、半導体の世界的な供給問題に波及しそうな状況だが、この規制に対する代表幹事の見解を伺いたい。

櫻田:菅義偉官房長官の会見でも「信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない」との発言があり、それについて私がとやかく言うつもりはない。経済界の立場からすれば、韓国の経済界も当社もそうだが、早く(日韓の)関係が正常に戻ってほしいという気持ちがある。そうは言っても、世界中どこを見ても政治と経済はお互い密接に関連しているのが現実である。これをジオポリティクスと呼ぶのかどうかわからないが、その中で今回の(日本)政府の措置はWTOルールに則ったものだと理解しており、(日本)政府の一貫したメッセージであると思っている。そのようなメッセージを韓国政府も真摯に受け止めていただき、早く経済関係が正常になることを期待している。(対象となる半導体材料の)3品目に限って言えば、今回の措置による日本経済へのインパクトは実はそれほど大きくないと理解している。(3品目は)韓国が作る有機EL(製品)やスマートフォンのような完成品には不可欠な部品であり、その意味では、日本から輸出される部品がなければ、付加価値製品に非常に大きな影響を及ぼす。すなわち、日本側より韓国側に大きなインパクトを与える措置になると思っている。もう一つは、今回のメッセージが正しく伝わらないこと、あるいは何らかの事情により、ホワイト国から(韓国を)除外する事態が起きるとすれば(大きなインパクトになりうる)。(ホワイト国は)韓国を含め27ヶ国と聞いているが、一度ホワイト国に認定された国が除外されるという措置は(これまで)採られたことがないため、経済的にも政治的にも大きなインパクトが出てくる。私の立場としては、(日本)政府のメッセージを(韓国政府が)真摯に受け止め、(経済への)実害が広がる前に正常な状態に戻ってほしいと願っている。

最初の質問への答えで櫻田代表幹事は、今回の事態に対しての自身の状況認識の中核を述べている。
まず今回の日本政府の措置は、WTOの規定に基づくものという認識である。
第二に、今回の措置によって日本経済が受けるインパクトはそれほど大きくないというものである。
第三に、今回の措置によって、日本側ではなく韓国側に大きなインパクトがあるということである。
最後に櫻田は、今回の事態による被害の拡散を望まないと言いながらも、日本政府のメッセージを韓国政府は真剣に受け止めなければならないと言った。
韓国政府の立場の変更を促しているのだ。

質問②:韓国への輸出規制の件で、代表幹事より「今回メッセージが正しく伝わらないことによって、ホワイト国から除外されるかもしれない」との発言があったが、メッセージとはどのようなものか趣旨を確認したい。

櫻田:自身が解釈している話であり、政治上の認識とは言えないかもしれない。少なくとも、(日韓の)信頼関係が著しく揺らいだという表現を使っているということは、政治的に国と国が約束したことが一方的に覆される等の点において信頼関係が揺らいでおり、このままでは政治はもとより貿易を含めた経済は復旧しないし、困るだろうということをメッセージとして伝えているはずである。(日本)政府も、このまま(韓国と)袂を分かっていきたいと思っているとはとても思えない。

第二の質問の答えでも、櫻田代表幹事は、現在の韓日紛争の原因について、自身の認識の重要な部分を語っている。
彼は「国と国との約束が一方的に覆されるなど信頼関係が揺らいでいる」という表現を使った。
慰安婦合意の不履行や、1965年の韓日請求権協定の解釈の変更など、韓国側の立場を「約束の不履行」という観点で見ていることがわかる。

続いて櫻田は、こういった約束不履行が続けば、「政治はもとより貿易を含めた経済は復旧しないし、困るだろう」と述べている。
もちろん最後に櫻田は「(日本)政府も、このまま(韓国と)袂を分かっていきたいと思っているとはとても思えない」を強調している。
櫻田の解釈では、日本政府側のメッセージは、関係自体を断絶しようというのではなく、以前の関係を回復しようというものだということだ。

質問③:韓国の関連では、このまま日本のメッセージが伝わらず、正常化しない、報復の応酬に繋がりかねないという懸念もあるかと思うが、どのように考えているか。

櫻田:今の規模からいうと、日本から韓国へ(の輸出額)は6兆円くらいで、逆(韓国から日本への輸出額)は3兆円くらいだろう。韓国の輸入の方が大きいはずだ。報復合戦はあってはならないが、某国がよく使っている(ような手法は)、やめた方がよいということは両国は分かっているはずだ。(日韓の)政治の世界では今言ったようなメッセージのやりとりがされているが、少なくとも、早く正常化してほしいと日本の経済界だけでなく、韓国側はもっと強く思っているだろうから、そのような事態にはならないと思う。

第三の質問への答えで、櫻田は意味のある表現を使用している。
「某国がよく使っている(ような手法は)、やめた方がよいということは両国は分かっているはず」ということだ。
ここでいう「某国」とは米国を指していると思われる。
トランプ政府は貿易と関税を相手を圧迫するためのツールとして使用している。
韓日両国とも米国のようになってはならないというものである。
第三の答えでは、先に見せた認識が繰り返されている。
櫻田は韓国側の輸入が大きいと言っている。
先に出た韓国側の被害がより大きいという認識の延長である。
だから早急な正常化は、日本の経済界だけでなく、韓国側のほうがもっと強く思っているだろうと言っているのである。

質問④:ブーメランと呼ばれるように、(日本が)韓国製品に制限をかけると、完成品が滞ることによって逆に日本経済にダメージがあるのではないかという指摘にはどう思うか。ダメージは少ないという見方をされているのか。

櫻田:例えば、(日本が輸出した)半導体の部品が(韓国国内で)完成品となり、完成品を第三国へ輸出する。日本が部品の輸出審査を厳格にすることで、韓国経済が滞る。その結果日本はどうなるのか、という話だ。どのくらい深刻になるかについては見極めきれない。ただ、経済規模からいって少なくとも米中の問題のようにはならないと思っている。

第四の質問で日本人記者はブーメランについて言及している。
つまり、日本の今回の輸出規制措置によって日本経済が受けるダメージについて質問しているのだ。
しかし、これに対する桜田の回答が興味深い。

通常、現在の韓日貿易の葛藤局面で「ブーメラン」といえば、日本の輸出企業が韓国の完成品の生産企業に輸出できなくなることで受ける被害や、あるいは日本の措置に対する報復として韓国側が同様の輸出規制措置をとった場合に日本が受ける被害を連想する。

しかし櫻田はそういった側面でのブーメランには言及していない。
それよりも櫻田が言及しているブーメランは、日本が部品の輸出審査を厳しくした場合、韓国経済が停滞状態に陥るだろうというもので、韓国経済が停滞することで生じる日本の被害について言及しつつ、その効果は正確には分からないというものである。
その一方で、経済規模を考えてみれば、米中間の問題のようにはならないという。

結局、韓国経済の規模が日本に比べて小さいため、韓国経済が停滞状態に陥っても、それによって日本が受ける被害の規模はそれほど大きくないだろうという考えを垣間見ることができる。

質問⑤:今回の措置は、今までは韓国を優遇してきたが(今後)優遇しなくなるという話であり、関税を引き上げるような強いものではない。これ自体の効果はどれくらいあると思うか。話し合いをするために、措置を強くするべきと考えているか。

櫻田:経済界は早く正常化したいと思っている。政治と経済は分離不可だが、政治については、日本サイドよりも韓国サイドの方がやや根詰まりを起こしており、難しい状態になっているというのが根底にある。政治の問題を解決すれば経済(の問題)も解決するはずだ。ただ、政治の問題が日本の事情よりは韓国の国内事情にあるように思うので、私自身(の立場から)、こうなればよいと言うことはできない。措置をより厳しくする、あるいは関税を引き上げればこの問題が解決するかというと、(解決)しないと思う。相当な時間を要するだろう。むしろ日本はこれまで政治的に、あるいは外交的には毅然とした態度をとってきた。一貫してやってきたことを変えてはいけないし、我々経済界も政府の考えを尊重しつつ、自由貿易は(日本経済にとって)プラスであるということを繰り返し(主張し)続け、あまり感情的に動かないことが大事だろう。

5番目の質問への回答で、桜田は非常に重要な言及をする。
日本の経済界は今回の事態のすみやかな正常化を望んでいるが、正常化されない場合、日本側ではなく韓国側がますます身動きできない形になっていって、難しくなるというものである。
ここで櫻田は日本語で「根詰まりを起こす」という比喩表現を使う。
「根詰まり」とは鉢の中で根がいっぱいになっているいうことだ。
根はすくすくと伸びなければならない。
しかし狭い鉢の中で根がいっぱいになってしまうと、当然成長に支障をきたす。
だからそれに続いて「難しくなる」という表現を使ったのだ。

また櫻田は、政治問題が解決すれば経済問題も解決するといいながら、それに続いて、政治問題は日本ではなく韓国の国内事情にあると見ている。
問題の原因が韓国側にあるという認識を示しているのだ。
また日本は、これまで政治的または外交的に毅然とした態度を取ってきており、一貫してやってきたことを変えてはいけないとし、経済界も政府の考えを尊重し、あまりにも感情的に動いてはいけないとまで言っている。

質問⑥:日韓の関係について伺いたい。代表幹事がおっしゃる通り、輸出入という観点では、日本経済へのダメージは韓国に比べればあまりないかもしれないが、もう少し広く、日韓の経済協力、経済交流という意味は、今年5月に開催予定であった日韓経済人会議が延期されたということもある。信頼関係が政治的に揺らいでいる状態になると、経済協力・交流という意味ではそれなりの影響があるのではないか。この点についてどう思うか。先ほど、韓国政府の方で日本政府のメッセージを真摯に受け止めてもらい、早く正常化に向かってほしいとおっしゃられたが、経済界としてできることはあるか。

櫻田:1点目については、韓国が永遠の隣国であることは間違いないので、それを両国とも認識しながらどのような付き合い方をしていくか、当然考えていると思う。必要以上に楽観視しているつもりはいないが、必ず解は導けると思う。くどいようだが、主として日本国内の問題ではないので、文在寅大統領をはじめ、韓国のエスタブリッシュメント、財界人たちに頑張ってもらうしかない。経済界同士の会合は、なにもカンファレンスを開き、ミーティングを持って付き合うだけではなく、個社同士の交流も当然ある。当社も韓国に会社を持っており、よく行き来をしている。実体経済や実生活の中で、韓国と日本がどれくらい結びついているかはわかっていて、私はその声は必ず政治に届いていると思う。それほど悲観していない。もし長引くようなら別の手を考えなければならず、経済界としても、もっともっと声を上げていかなければならないと思うが、今はその時期ではないだろう。

最後の6番目の質問への回答で、櫻田代表幹事は韓国側の変化を促している。
今回の事態の原因は主として日本国内の問題ではないので、裏返して言えば、韓国側に原因があるので、ムンジェイン大統領をはじめ、韓国の政財界が頑張ってほしいというものである。
頑張ってほしいというのは「態度を変えなさい」という言葉の婉曲表現である。

さらに櫻田は、この問題が長期化する場合は経済界も声を高めなければならないと言っているが、今はその時期ではないという。
簡単に言えば、現時点で日本政府側に日本企業界の意見を強く伝える考えはないということだ。

東亜日報の記事は内容の核心を除く選別的な編集の事例

この記者会見について東亜日報はどう報道したのだろうか。
まず記事のタイトルが『日本の経済団体も公開批判… 「被害が発生する前に正常に戻れ」』だ。
日本の経済団体が公開批判をしたというものである。
タイトルには批判の対象が誰なのかを書いていない。
そしてその批判の核心は「被害が発生する前に正常に戻れ」というものである。

大きなタイトルの下の中間タイトルを見ると、より具体的な内容が出てくる。
『経済同友会代表幹事、会見を開いて「両国の経済は相当なつながりがある…通商で政治的な問題を解決してはならない…日本内部「WTO最恵国規定違反」…ホワイト国から除外されれば1100品目に影響」とある。

東亜日報7月4日の記事『日本の経済団体も公開批判… 「被害が発生する前に正常に戻れ」』キャプチャ

この中間タイトルを読めば、まるで櫻田経済同友会代表幹事が、今回の日本政府の措置を「WTOルール違反」と言ったような感じを受ける。
しかし上述のごとく櫻田は、今回の日本政府の措置は「WTOの規定に基づくもの」と言っている。
最初の質問への最初の回答で、桜田が自らそう言及しているのである。
なのに東亜日報の記事は、こういった部分を書いていない。

もちろん同じ記事で、日本人経済学教授の話を引用しつつ、今回の日本側の措置がWTOルール違反と解釈できる可能性があるという内容を報告している。
しかし櫻田が今回の措置がWTOルール違反ではないと述べたという点を勘案すれば、そしてこの記事が櫻田の発言を権威ある発言として大きく引用していることを勘案すれば、WTOルール違反について日本国内の意見が交錯しているというレベルの報道はすべきだろう。

そしてこの中間タイトルで、二重引用符を使用し、「通商で政治的な問題を解決してはならない」とも書いた。
このタイトルを見ると、まるで櫻田経済同友会代表幹事がそのような話をしたように読める。

しかし桜田は、政治と経済は密接な関係で切り離せないとし、政治問題が解決すれば経済問題も解決すると言っている。
また政治的な問題が、日本国内の事情ではなく、韓国の国内事情にあるとも言った。
「通商で政治的な問題を解決してはならない」と解釈できる表現が記者会見全文のどこにあるのか分からない。
そして、百歩譲って、記者会見の文全体を読んで解釈してそのように書いたとしても、この記者会見全体を読んで、「通商で政治的な問題を解決してはならない」が櫻田が投げる中心的なメッセージだと言えるのか?

東亜日報の記事の本文に入ってみると、櫻田代表幹事の複数の発言を引用しているが、すべて選択的な編集である。
たとえば、この記事で櫻田は、「韓日の経済関係が早く正常化してほしい」と言ったと報道した。
間違った言葉ではない。
しかし桜田は、「韓国側が日本側のメッセージを受け入れて韓日関係が正常化してほしい」と言ったのだ。
問題の原因が韓国側にあるという桜田の考えや、メッセージを韓国側に投げているという部分についてはまったく書いていない。

また東亜日報の記事は、日本が8月を目標に韓国をホワイト国から除外することについて、「経済的、政治的に大きな衝撃を与えるだろう」とし「実際に被害が広がる前に正常に戻ってほしい」と桜田が言ったと報道した。
間違った言葉ではない。
しかし同じ文で桜田は、「韓国側の被害が大きい」と言っているのだ。
また櫻田は、「日本経済が受けるインパクトはそれほど大きくない」とも言っている。
とすれば、「大きな衝撃」や「正常に戻ってほしい」というメッセージをどちらに向けて発信しているのかは明確である。
桜田は日本政府ではなく韓国政府に対して脅迫性のメッセージを飛ばしていたのだ。

櫻田発言の要旨と東亜日報の報道には大きな距離がある

改めて書く。
櫻田経済同友会代表幹事が7月2日の記者会見で投げたメッセージは以下のように要約することができる。

・今回の日本政府の輸出規制措置はWTOの規定に基づくものである。
・今回の葛藤の原因は、約束を守らない韓国側にある。
・今回の措置で、日本経済が受けるインパクトはそれほど大きくない。韓国側が受けるインパクトは大きい。時間が経つにつれて韓国側が難しくなるだろう。
・日本政府のメッセージを韓国政府が真摯に受け止め、すなわち韓国が立場を変えることによって、状況が正常化されることを願う。
・日本政府はこれまで毅然と対処してきたが、その一貫した立場を変えてはならない。
・経済界も日本政府の立場を尊重しなければならない。現段階で日本政府に対して声を上げるつもりはない。

これについて東亜日報は、日本経済同友会が「公開批判」して「通商で政治的な問題を解決してはならない」と言ったと報道した。
さらに東亜日報の記事は、櫻田の発言のうち「正常化」を促す部分だけを選択的に報道している。
今回の日本政府の措置の法的性格についての判断や、問題の原因の分析や、今後の影響や効果の韓日の比較について判断や、韓国政府の立場の変化を促すメッセージや、日本政府の今回の措置を支持する立場などについては、まったく報道しなかった。

選別編集は誤解を生むだけ

この結果、東亜日報の記事を読む韓国読者は、「日本経済同友会は日本政府を批判していて、今回の日本政府の措置は不適切だと判断している」という印象を受けることになる。
さらに日本経済同友会が、まるで日本政府に対し、今回の輸出規制措置を撤回するようメッセージを送っているような印象を受ける。
経済同友会代表幹事の記者会見の原文を読む前に東亜日報の記事を読んだ私もそのような印象を受けた。

経済同友会は実際、日本で大きな影響力を持つ経営者団体である。
もし東亜日報の記事が報道したように、本当に経済同友会が日本政府の対外的な措置について公開批判をしていたら、日本内部でも驚異的なセンセーションを巻き起こしただろう。
しかし日本のメディアの中で櫻田の7月2日の記者会見の内容を大きく報道したところは一つもない。
報道する場合も、櫻田のもともとのメッセージ、すなわち日本政府の味方をするメッセージに焦点を合わせて報道している。

選別編集は、実質的には誤報と言える。
読者が事実を見ないようにするからである。
この点で、メディアの責務を放棄しているといえる。
上記の東亜日報の記事で、東亜日報東京特派員は、経済同友会のウェブサイトに出ている櫻田経済同友会代表幹事の記者会見の原文から引用している。
つまり記者は、会見の原文すべてを読んでいるのだ。
東亜日報は、記者会見の原文を読んだのに、書きたい編集の方向に合う内容だけを選択的に編集して報道した。
その結果、東亜日報の読者の私は、実際に経済同友会代表幹事が言った中心的なメッセージとはまったく違う内容が経済同友会の立場であるかのように錯覚したのである。

選択編集は、ある意味において、誤報より悪いといえる。
誤報は明確に間違いだが、選択編集は定められた編集方向に合わせるために事実を知りながら事実を一方の方向に歪ませるものだからだ。

日本と北朝鮮は、韓国メディアの「袋叩き」

韓国メディアのこういったオプション編集は、今始まったことではない。
過去数十年間、北朝鮮と日本に関連したことについては、韓国の多くのメディアの報道が、誤報ないしは選択編集によって事実の歪曲を量産してきた。
そのため、韓国の多くの読者が、北朝鮮と日本についての誤った考えがまるで真実であるかのように曲解する結果を生んだ。

誤報と選択編集の対象が日本と北朝鮮ばかりに集中している理由は簡単である。
韓国では、北朝鮮と日本を擁護したり肩を持つのはタブーだからだ。
事実をありのままに話した場合でも、それが結果的に北朝鮮や日本の肩を持つような印象を与えることになると、韓国人はひるむのだ。
自ら自己検閲をするだろう。
そのため、北朝鮮と日本に関連する報道は、事実チェックする牽制勢力を失ったまま、事実上、嘘と歪曲で暴走することになった。

もうこのような狂気じみた暴走を中断しなければならない。
反日や反共を、事実や真実よりも優先させる態度では、いかなる進歩も期待できない。
事実を見ない者は目を閉じ耳をふさぐのと同じだからだ。

目を閉じ耳をふさいだまま、一度街を歩いてみればいい。
少し歩いただけで溝に落ちたり電柱に頭をぶつけたりするだろう。
だから本当にこれから前に進もうとするなら、まず嘘から離れて事実を追求しなければならない。
韓日関係も例外ではない。
韓日の葛藤を解き、韓日関係を前進させたいなら、まずは両国の国民と企業、知識人たちが何を考え、何を言っているのか、そのまま知っておくべきだろう。
東亜日報をはじめ、韓国の報道機関、ジャーナリストの奮起を期待したい。

引用ソース
http://www.newstof.com/news/articleView.html?idxno=1783

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ご視聴ありがとうございました(*‘∀‘)